私の父は山が大好きでした。その影響もあって、弟は国際アルピニストに。
私はと言えば、車酔いがひどい中、ディーゼル列車とバスに揺られ、毎年フラフラになりながら山を歩かされた記憶がこびり付き、山には苦い思い出しかありませんでした。
しかし父を亡くした今、再び山を歩いてみたいと思うようになり、今回山好きの先輩にお願いして、山に連れて来て頂きました。

ここ大弛峠(おおだるみとうげ)は標高は2,360m、自動車が通行できる日本最高所の車道峠です。初心者向けのハイキングコースとあって、朝早いのに駐車場は混んでいます。それでもなんとかスペースを確保して、歩いて15分のところにある夢の庭園に。

うわ~~~!!思わず声を上げてしまうほどの、美しい360度のパノラマが広がります。

遠く富士山の稜線も見えました。朝の雨が嘘のように空は青く晴れ渡り・・・。

高山植物のマットの上に、巨石と潅木が自然の采配によって巧みに配置されたこの庭園は、昭和35年、当時山小屋管理人をしていた山下今朝忠さんが発見、それで夢の庭園と名付けられたそうです。(案内板から)

木立の中を前国師~国師岳~北奥千丈岳に向かいます。

数々の有名な庭園は美しい山野を模したものと言われますが、この自然によるダイナミックな造形美を見ると、自然に勝るものはないと感嘆します。

国師岳の山頂、標高2,592m。正面には富士山が見えるはずですが、雲に隠れてしまい、ほんの少し頭しか見えませんでした。

なんで山の空はこんなにも青いんでしょう? なんで緑はこんなに鮮やかなんでしょう? 空気が澄んでいるからなのかなぁ。

奥秩父山塊の最高峰である北奥千丈岳、標高2,601m。なんて美しい山の稜線!感激です。

山歴数十年という年配のご夫婦。桃を取りにいく前にちょっと山に、と。なんともお元気で素敵なおふたりでした。

父はこの美しい景色を見せたくて、幼い頃より私たちを山に連れて行ってくれたのでしょうね。今改めて父が山を好きだった理由がわかります。
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